共通点は脳にあった
腰痛で悩む人達が抱える「共通点」とは何か?
それは「脳」でした。
2011年、カナダにあるマギル大学の研究チームが驚きの研究結果を発表しました。
半年以上の慢性腰痛に悩む患者18名に見られた「共通」の病変。
「DLPFC(背外側前頭前野)」
ここに答えがあったのです。
慢性腰痛に苦しむ人は例外なく「DLPFC」の体積が健常者に比べて極端に減り、活動自体が衰えていたのです。
慢性腰痛とDLPFCの関係(扁桃体とDLPFC)
痛みの回路と電気回路
まず、足のケガを例にして「痛みの神経回路」について説明します。
- 足を怪我する
- 傷口が「痛みの発生部」となる
- 傷口近くの末梢神経の先端にある「侵害受容器」が最初に刺激を受け取る
- 「刺激」が末梢→中枢へと送られ「脳」にたどり着く
- 「脳」がその刺激を「足の痛み」として認識する
- 「足が痛む」
おわかりでしょうか?
痛みは「後からやってくるもの」なのです。
「脳」に刺激が届き、その「脳」が「この刺激はあそこの痛みだ」と認識して初めて「痛み」が生じます。
その「痛み」の判断で重要な役割を担っているのが「偏桃体」と呼ばれる領域です。
この偏桃体の興奮が収まらなくなってしまった痛み、それが「慢性痛」の正体なのです。
では、改めて「痛み」を考えてみましょう。